2015年12月23日水曜日

宮川 小豆沢



宮川の支流はどれも遡行対象としては興味が薄い。小豆沢は大滝があるので地元では、ほのかに知れた沢である。写真の大滝の他はこれと言った特徴が無い沢であった。唐掘山への登路として捉えて遡行しよう。すぐに終わるので、ついでに宮川ボルダーで遊んでくると良き休日となる。

<アプローチ>
小豆沢集落の道沿いに駐車する。建物が多かったので気を使う。唐掘山トンネル入り口への登山口へ下山

<装備>
スリングだけで良いと思う。沢慣れしたパーティーならばロープの必要は感じないかも。

<快適登攀可能季節>
6月~7月中旬。 9月~10月。

<温泉>
楽今日館、奥飛騨まんが王国

<博物館など>
まんが王国は公営のまんが喫茶。舐めて掛かるとスケールの大きさにびっくりする。

大聖寺川 大日沢










加賀の大日山には楽しい沢が多いようだ。その中でも人気なのが大日沢である。滝はどれも快適なシャワークライミングで登ることが出来る。苔とナメも散りばめられているので、登って楽しい観て感動の良渓だった。大日山山頂も大展望のピークで終わりも良い。麓の温泉と合わせた小旅行遡行がお勧め。

<アプローチ>
富山からは少し遠い。高速道路で加賀インナーまで行った方が楽。国道364号線を南下し大日山登山道の入り口に駐車して入渓。

<装備>
スリングを少々。沢慣れした人ならばロープの必要は感じないと思う。

<快適登攀可能季節>
6月~10月。アブやブヨが多い場所なので新緑か秋が良いと思う。

<温泉>
山中温泉。

<博物館など>
加賀寺(旧ユートピア加賀の里):ハニベ岩窟院と並んで石川が誇る弩級の珍スポット。加賀温泉駅からも望むことが出来る巨大菩薩がある場所。訪れたのは5年ほど前だが既に廃墟感があった。金ぴかの観音の中は階段があって登ることが出来る。千手観音が千体?ある部屋は圧巻。今も現存する施設かは不明。

荒城川本谷






沢上谷よりも水量が多いうえ開けて明るい沢。ナメは沢上谷のようなコンクリート色では無く黄色っぽい。上宝火砕流でも成分が違うのだろうか。ダムサイトにある恵比須之湯は遊離炭酸泉の温泉。温泉とナメの構成成分の相関性は有るのだろうか。思索を巡らせながら歩けば脇の林道の存在も気にならない。

<アプローチ>
高山市から丹生川ダム方面へ。あるいは上宝からトヤ峠を越えて丹生川ダムまで。筆者はトヤ峠越えはしたことは無い。釣り人が時々入っているので注意。竿を出したら一尾釣れた。上部は退屈になったので適当なところで引き返した。

<装備>
登攀具は必要ない。

<快適登攀可能季節>
6月~10月 乗鞍周辺にアブはあんまりいない気がする。

<温泉>
荒城温泉 恵比須之湯:掘っ立て小屋の温泉。炭酸泉が自慢。温泉スタンドあり。
<博物館など>

光ミュージアム:崇教真光が運営する博物館。ピラミッド型の建築だけでも面白い。浮世絵から書まで展示する正統派で良いなぁ。っとおもったらいきなり現れる教祖の展示が見所。

飛騨高山美術館:アールヌーボー、アールデコのガラス工芸を展示。エミール・ガレ、ドーム兄弟の作品は沢ヤならばきっと気に入るはずだ。

千光寺:仏師界のニコラ・ジャジェールこと円空の作品を豊富に所有する寺。上から目線の悟り表情ではなく、微笑みかける一本彫の仏像に癒される。鬼気迫る両面宿儺も傑作。

世界の昆虫館:豊富な標本と、アート性を兼ね備えた昆虫館。展示内容が多彩で時間がどれだけ有っても足りない。リスとも触れ合える。秀逸なのは蝶で描かれた絵画。蝶が見たら地獄絵図だが。



<グルメ>
41号沿いの弁慶というとんかつ屋は美味しかったと思う。

錫杖岳 前衛フェース 中央壁






2ルンゼと1ルンゼの間にある幅広の壁。壁のスケールは素晴らしいが、出だしのブッシュの印象が悪く登る人は少ないようだ。まあ、易しかろう、と長期山行前の最終調整の為に取り付いた。しかし、氷も雪も草付もグサグサで使い物にならず、渋いミックス登りを楽しむことになった。4P目からのチムニーは宿題となる。チムニー内は少し入った印象ではプアプロ。氷が張ってくれたら良いけど。

<アプローチ>
槍見から登山道。吹雪いていても登攀可能と思われる。槍見まで富山大学からおよそ1時間50分。

<装備>
ひん曲がったアックスと縦爪のアイゼンが有効。岩のギア一式とアイススクリュー2本くらい。ピトンも適宜。暖かかったので、

<快適登攀可能季節>
12月~2月下旬。

<温泉>
栃尾の荒神の湯は良い露天風呂。体を洗う場合は石鹸を持っていこう。寒くて洗えないかもしれないけど。割石温泉まで行くのもいいだろう。

2015年12月20日日曜日

権現岳~鉾ヶ岳











厳冬期に本当の山を味わえる場所である。藪と雪が絶妙なハーモニーを奏で、情け容赦なく体力を奪う。漸くたどり着いた権現岳から眺める鉾ヶ岳は余りに遠く見える。稜線上はアップダウンが多い。帰路の面倒さから、頂上を眺めるたびに「もう帰ろうか」と幾度も逡巡する。それでも歩き続けるのは虚栄心だろうか、それとも反抗だろうか。山頂に着くとやはり登ってよかったと心から思うのだ。喧騒から離れ己の意志が葛藤し相克する。剣であれ、頸城であれ、ヒマラヤであれ(行ったこと無いけど)登山の醍醐味の一つだろう。葛藤の崇高さで言えばヒマラヤと比べるとずっと低次かもしれないが、ともかく相克の存在は揺ぎ無い。里山だが、個人的には八ヶ岳の登攀ルートよりよっぽど良い山が出来ると思うのだ。ラッセルしながら荻原碌山の言葉を思い出した。

「LOVE IS ART,  STRUGGLE IS BEAUTY.」
「自然の研究といふものは現実に触るといふ事である、切実に人生と交渉しろといふ事である。」

<アプローチ>
権現の登山道入り口には駐車できない。除雪の邪魔にならない場所を探すことが出来るかどうかが核心。柵口にあるKDDIの電波塔の横に駐車した。林道を少し歩き登山道の付いた尾根を辿る。胎内洞は新雪期ならば写真の通り中に入れる。とっても面白いので行ってみよう。計画では島道鉱泉へ下山する予定だったが諸事情により同ルート下降となった。金冠の周辺も気になる。

柵口集落まで国道8号線経由で2時間30分くらい。高速利用ならば2時間くらいかしら。

<装備>
積雪状況如何によってはロープが必要。今回はやや強引にノーロープで登った。

<快適登攀可能季節>
12月下旬~2月下旬。雪が多い時で積雪がそれなりに安定していそうなとき。3月ならば快適な雪山ハイキングになるかもしれない。登った時は酷い藪ズボで、ハイハイ登りを多用した。

<温泉>
島道鉱泉:主人がスピリチュアル世界に嵌っている。さておき、なかなか雰囲気のある風呂
柵口温泉権現荘:綺麗なお風呂。500円だったと思う。

<博物館>
富山への帰りしな、糸魚川有るフォッサマグナミュージアムは素晴らしい。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)
能生の弁天岩の近くには郷土資料館があった。


2015年12月18日金曜日

岩小屋沢左岸尾根~抜戸岳





新雪の杓子平が観たくて雪が安定したタイミングに登った。新雪期では下部の藪雪は不快だし、決して合理的なラインではないし、あまりお勧めはしない。ただ、新雪の杓子平を見物しに行くには良い。所々岩を露出させた姿はすべて白くなる3月よりもどこか趣を感じる。日帰りで笠ヶ岳まで行く予定であったが、天気が怪しいので抜戸でお茶を濁した。状態次第では日帰りで笠ヶ岳までいけると思う。

<アプローチ>
新穂高から左俣林道

新穂高まで富山大学からおよそ2時間

<装備>
ストレートシャフトのピッケル一本で十分。

<快適登攀可能季節>
12月~3月。

<温泉>
栃尾の荒神の湯は良い露天風呂。体を洗う場合は石鹸を持っていこう。寒くて洗えないかもしれないけど。割石温泉まで行くのもいいだろう。

ヒロサコ尾根



積雪期の笠ヶ岳に登ることの出来る最も容易なルート。地形図では余り感じないが、アップダウンが多く精神的にやられる。クリヤの頭からは笠ヶ岳が遥か彼方に見えるのだ。風の影響か2回行ったいずれもモナカ雪で大いに消耗した。穴毛谷の岩場を覗き観ながら楽しもう。


<アプローチ>
槍見から登山道を利用。クリヤの岩屋までは錫杖に行くトレースが大概ある。

槍見まで富山大学からおよそ1時間50分。

<装備>
ストレートシャフトのピッケル一本で十分。

<快適登攀可能季節>
12月~4月。夏にこの道を使うと不快。

<温泉>
栃尾の荒神の湯は良い露天風呂。体を洗う場合は石鹸を持っていこう。寒くて洗えないかもしれないけど。割石温泉まで行くのもいいだろう。

2015年12月13日日曜日

湯檜曽川本谷









手を変え品を変え遡行者をもてなす名渓。上信越に、このような明るく健康的な沢が多いのは何故だろう。豪雪地帯ならば雪崩でゴミがたまりそうなのだが。「明るい渓」は富山で例えるならば黒部源流に近い雰囲気である。植生よりも岩盤の性質の方が渓相に影響を与えるのだろうか。などと単独遡行中に思考を巡らせる余り、気がつけば大滝瀑流フリーソロを敢行していた。落口にて冷汗一斗。上部二俣は素晴らしい幕営地点になっている。日帰りも可能だが泊まって楽しみたい。

<アプローチ>
国道8号線で上越まで行き、国道253号線を利用すると早くて安上がり。もちろん上越までは高速を利用すると更に早い。

富山大学から総て下道で4時間30分くらい

<装備>
念のためピトンとパッシブ少々

<温泉>
湯テルメ谷川:みなかみ側の温泉。550円とリーズナブルながらも爽快な露天風呂もありおすすめ。
湯らりあ:六日町リーズナブルな銭湯。石鹸は持参

<博物館など>
天一美術館:秀麗な建築の館内には麗子像(正面向き)などの名作がある。入り口で少し高めの入館料にたじろぐ。

絵本と木の実の美術館:廃校になった小学校を利用した美術館。とっても面白いのでいってみよう。ヤギが三匹いて触れ合おうとしたらド突かれた。要注意

越後湯沢雪国館:川端康成がボンボンでどうしようもない奴だったのではないかと思ってしまう

棟方志功アートステーション:道の駅の二階にあるので入ってみると良いと思う。

2015年12月12日土曜日

西ゼン~赤谷川(ドウドウセン)~毛渡沢


















谷川岳は富山から遠い。そんな愚かしい固定観念によって訪れるのが遅くなってしまった、谷川岳。よくよく考えてみれば紀伊半島よりよっぽど近いのだ。谷川連峰はその小さい山域から想像できないほど多様な地質構造となっている。北面の西ゼンから南面の赤谷川へ継続遡行するとその素晴らしさが解るだろう。広く分布する花崗斑岩および石英閃緑岩の貫入岩は硬いスラブとなり独特の景観を生み出している。一方、赤谷川は凝灰岩、玄武岩、頁岩およびひん岩質でゴルジュと大滝を形成している。植生の垂直分布も興味深い。遡行が終わり稜線近くでスゲの斜面に突っ伏す。スゲの根元にはモウセンゴケの大群落であった。縦走の開放感も最高だ。僕は谷川が一辺に好きになってしまったのである。

さて、西ゼンは今まで出合ったことの無い広大なスラブをテクテク歩いた。当日は小雨が降っておりぬれたスラブが悪く感じた。ドウドウセンは大滝ゴルジュ。記録では凄惨な心境を綴ったものが散見されるが実際はそれほど悪くは無く、登り易い部類ではないかと思う。下降に使用した毛渡沢もクライムダウンと懸垂下降の連続で楽しい。

<アプローチ>
国道8号線で上越まで行き、国道253号線を利用すると早くて安上がり。もちろん上越までは高速を利用すると更に早い。

富山大学から総て下道で4時間30分くらい

<装備>
ピトン少々とカム一式。フラットソールも有ると登り易い

<快適登攀可能季節>
8月下旬~10月

<温泉>
湯らりあ:六日町リーズナブルな銭湯。石鹸は持参

<博物館など>
絵本と木の実の美術館:廃校になった小学校を利用した美術館。とっても面白いのでいってみよう。ヤギが三匹いて触れ合おうとしたらド突かれた。要注意

越後湯沢雪国館:川端康成がボンボンでどうしようもない奴だったのではないかと思ってしまう

棟方志功アートステーション:道の駅の二階にあるので入ってみると良いと思う。

2015年12月10日木曜日

負釣山 打谷西谷






中俣は厳しい谷だが、西谷は初心者も楽しめる良い谷。登りきった先に登山道があるのも取り付きやすい理由だ。中俣同様硬いスラブは非常に快適。水量は少なく晩秋でも登ることが出来る。こうしたスラブの沢に生える植生は何か独特な感じがする。いずれ図鑑片手にゆっくり登ってみたい。

<アプローチ>
小川ダム手前から入渓。山頂からは登山道を利用し降りる。車が一台の場合は登山口から北東の緩い沢へ下降。全く問題にならない下降だが藪い。車が二台あれば登山入り口にデポできる。

<装備>
念のためピトンと少々のパッシブプロテクション

<快適登攀可能季節>
9月上旬~11月上旬。北面なので比較的残雪が残りやすい。7月でも登れるだろうが、秋のほうが快適じゃないかなと思う。水量が少ない沢なので北又谷や柳又などを登りに来て遠方から来て
ダメな場合の転進先としてもお勧めできる。

<温泉>
小川温泉

<博物館など>
下山芸術の森発電所美術館も時おり興味深い展示をやっている。冬季は休館するので注意。
帰りには生地の道の駅で新鮮な魚を買って帰るのもいい。

麓にある山神社は有り難い名前なのでお参りしておくと良いかもしれない。